AppleはやはりAppleだった
WWDC 2014で発表された数々のサービス。
ハードウェアの発表がなかった事で「あーあ」『残念」「ジョブズがいればな」
という感想もあちこちで聞こえるが、
僕が感じたのは「やっぱりAppleだった」という印象だ。
理由は今回の発表から感じ取れる「違和感」から来るキーワードにある。
一つ目は「ハブ」。
2001年のMacWorld Expoにおいて、スティーブ・ジョブズは
「2001年以降、デジタル・ライフスタイルの時代が訪れる。携帯電話や携帯音楽プレイヤー、DVD装置、デジタルカメラ、PDAなど各種のデジタル機器をつなぐハブ(中心)を担うもの、それがPCだ」
「Macintoshは“デジタル・ハブ”になっていく」
と語った。
その後Macは確かに特に映像・音楽分野でのデジタル・ハブとしての一躍を担ったが、
人々の生活の中で中心となる「ハブ」となるまでにはいたらなかった。
Steve Jobs Keynote Macworld 2001 SF - YouTube
しかしiPhoneのリリース以後、Macの代わりにiPhoneがiTunes,AppStore,写真,SNSなど多くの物を抱き込み、その中心としてまさに「デジタル・ハブ」として人々の生活の中心に位置している。
そして今、Appleは新たに「iPhone」を「デジタル」を超えた「ライフ・ハブ」として
再構築しようとしている。
それは昨年発表された「CarPlay」に始まり、今回発表された「HealthKit「HomeKit」の戦略に見て取れる。Appleは「AppStore」の成功で「全てを自分たちが作る必要はない。そうハードウェアも」という方針に変えてきたように見える。「CarPlay」「HealthKit「HomeKit」はどれもApple単体で完結しない。それぞれのメーカーが作るデバイスと連携する事により始めて完成する。しかしそれによって、人々の「生活」の中でiPhoneをさらに中心的な「コアハブ」として再構築する事ができる。スティーブ・ジョブズの「デジタル・ハブ」構想を昇華させたのが今回の発表なのだ。
もう一つはそうして今「IoT」が大いに盛り上がっている時代において、あえてハードウェアではなく「ソフトウェア」を中心に置いているところだ。
もちろんAppleはハードウェアメーカーでもある。Mac、iPhone、iPadという魅力的なデバイスを取り揃えて入るが、それはWindowsやAndroidと「多少違う」というレベルの物でしかない.部品は同じだ。
Appleは差別化要因に「ソフトウェア」を持ってきている。そしてIoTの中で「ソフトウェア」で中心にいようとしている。そこが他のメーカーや、今更ハードウェアに方向転換しようとしているソフトウェア会社とは違うところだ。そう違うのだ。
「Think Different」
アップルCM「Think Different.」(声:スティーブ・ジョブズ)[日本語字幕] - YouTube
今でもAppleは「他の会社が打つのと違う手を打とう」としている。他の会社がやってる真似では終わりたくない。もちろん良いところは模倣するが「違う事」をやっていたい。そう思ってる会社なんだ。「人のやってない事をやる」のは成功の法則の一つだけど簡単ではない。だけどそこを進んでいく。やれば何かが変わるかもしれない。だからやってみるのだ。